低用量ピルが原因で太るわけではありません。メカニズムを理解し自分に合った低用量ピルを。

ピルで太る可能性

体重計でしゃがむ女性 低用量ピルの値段や太るかもしれないということを懸念して、服用したくないという女性も少なくはありません。女性にとっては体重の増加は深刻な悩みです。もし本当に太る可能性があるのなら服用は控えたいと思うのも当然でしょう。

実際は、低用量ピルを服用しても必ず太るわけではありません。そもそもなぜ太るのかということですが、ピルには女性ホルモンが含まれているというのがポイントです。女性ホルモンには卵胞ホルモンである「エストロゲン」と、黄体ホルモンである「プロゲステロン」があります。

ホルモンの作用

エストロゲンは、腎臓から体内の塩分が排泄されるのを抑える作用があります。よって、溜まった塩分が水分を吸収するために体内に水分が溜まります。保水力が高まり肌にはプラスになりますが、水分の重さが体重の増加に比例します。

ちなみに、むくみは生理前に起こりやすい症状で、決してピルの影響だけではありません。生理前は体重が減りにくいと言われるのはこれが原因です。ピルを服用している期間でも、休薬期間に体重が減るというのも同じ原因です。高血圧の人はピルの服用を避けた方がいいというのはここからきています。

さらに、エストロゲンは脂肪を増やすという作用もあります。女性らしい丸みを帯びた体つきを作るのです。胸、腿、腰まわりなど皮下脂肪を増やしてしまうのです。女性のバストアップや男性の女性化などはこれが原因です。

プロゲステロンは、食欲増進の作用が考えられます。これが刺激されて体重増加する可能性は十分あります。ニキビが出やすくなるのもこれが原因です。ただし、男性ホルモン抑制のピルは逆にニキビの改善に期待ができます。

ピルの進化

ただ、太ると言われていたのは過去のことで、現在はそういった傾向も減ってきているようです。というのも日本では本来、中用量・高用量ピルの摂取が勧められており、低用量のものに関して認可されたのは1999年からです。もちろん低用量のものに比べれば、中・高用量のほうが女性ホルモンの含有量が多いので、その影響で太りやすい傾向にあるという結果になっていました。

しかし低用量のピルが販売されるようになってからは、摂取するホルモン量がかなり減ったことでその懸念はかなり解消されてきています。実際に日本で行った臨床試験において、被験者のほとんどが体重の増減±2㎏に落ち着いたとのことです。また、むくみによる体重の増加や食欲増進は2~3ヶ月で改善されることがほとんどです。治療の必要はありません。

また、低用量ピルを服用することで、月経前症候群といった症状が改善され体調が良くなり、食欲が増進されることもあります。食欲が抑えきれない状況や体重増加が止まらないといった症状があれば、服用する種類を変えてみましょう。種類はさまざまあるので、中には自分に体質に合うものの合わないものがあってもおかしくありません。ピルのメカニズムを知ることで自身への適応を考えて服用していきましょう。

ヤーズヤスミンなど、最近人気の第4世代ピル。これは利尿作用のあるドロスピレノンが含まれているため、体外へ水分を排出します。よって、逆にむくみがとれていき、体重が減っていく傾向が強い超低用量ピルとなります。体重増加が気になる人はこれを試してみるのも一つです。