低用量ピルは正しい使用方法で高い避妊効果が得られます。用法や用量の基礎知識を知り確実に避妊を

ピルの使用方法

正しい使用方法をすれば、ほぼ完全な避妊が可能な低用量ピル。使用を止めれば妊娠は可能で、他にもさまざまなメリットがあります。ただ自分で勝手な判断をして使用方法を誤ると、効果が出ないどころか副作用が出る可能性もあります。用法、用量はしっかり守って低用量ピルを活用してください。

正しい用法と用量

手帳 低用量ピルの基本は、1日1回1錠を決まった時間に継続して飲むだけです。朝食後・歯を磨いた後・寝る前など、決まった時間というのが大切で、これをしないときちんと効果があらわれません。服用時は水かぬるま湯で飲む方がいいでしょう。グレープフルーツジュースやチェストベリーが含まれているジュースは、ピルの効果を低下させる可能性があるので一緒には飲まないで下さい。

1シート28日周期が基本で、偽薬(プラセボ)のあるタイプとないタイプがあります。休薬期間に偽薬を飲むか飲まないか、これが違うだけです。休薬期間が終わったら、すぐ翌日から次のシートを飲み始めます。避妊目的の場合、生理がきてもこなくても、翌日から次のシートを飲み始めてください。継続することで避妊効果を持続させます。タイプによって用法が違いますので、それぞれの説明書をしっかり理解してください。

飲み始めるタイミング

低用量ピルには、「サンデースタート」「デイワンスタート」と2タイプあり、飲み始めのタイミングなど飲み方が違います。

サンデースタートピルは、名前の通り日曜日から飲み始める方法です。生理が始まった最初の日曜日から飲み始めます。日曜日に始まった場合はその日に飲みましょう。メリットは週末に生理が重ならないということです。週末に旅行など大切な日を楽しみたい方にオススメです。また曜日固定で飲むため、飲み忘れが少なくなります。避妊効果は飲み始めてから約1週間後です。

デイワンスタートピルは、生理の初日から飲み始める方法です。1周期からきちんとした生理周期が得られるうえに、不正出血の可能性が低くなります。メリットは、生理初日から避妊効果があるということです。ただし、念のため初めてピルを服用する人は、始めて約1週間は別の避妊対策をとった方が無難です。ちなみに、生理初日とは「生理が来てから24時間以内」を言います。2シート目からは生理初日が飲み始めの日ではないので注意してください。

生理周期を調整する目的の場合、早めるか遅めるかで飲み始めるタイミングが変わってきますので注意してください。どちらにせよ、早目の対策が必要となります。

避妊効果のある期間

正しい用法や用量でピルを飲んでいる場合、飲んでいる期間は効果が継続します。飲み忘れの場合は下記のように対処してください。また、ピルを飲むことで不妊症になるのでは?という心配の声も聞きますが、ピルを飲むことをストップすれば妊娠します。性病に関してはピルに予防の効果はありませんので、コンドームなど他の対策をとる必要があります。

また、何らかの原因で吐いてしまった場合。ピルを飲んでから2時間以上経過していれば問題ありませんが、それより前に吐いてしまうとピルの成分が吸収されていない可能性が高いです。吐き気がおさまるのを待ち、もう1錠飲んで下さい。

飲み忘れた場合

頭を抱えた女性ピルの服用で非常に多いのが飲み忘れです。もちろん、きちんと正しく飲んでいる時より避妊効果は下がる場合が多く、不正出血が見られるケースも中にはありますので気をつけてください。避妊と飲み忘れの関係性は次のようになっています。

■飲み忘れが24時間以内の場合
気づいた時点ですぐに飲んでください。そして、予定の時間でも通常通り飲みます。24時間以内であれば避妊効果は発揮されます。

■ちょうど24時間の場合
服用時間になって飲み忘れに気づいた場合です。合計2錠をまとめて飲んでください。その後ですが、ピルの服用サイクルが1日目から7日目の場合は、約1週間は緊急避妊薬など他の避妊対策が必要です。7日間7錠連続で服用することで効果があらわれるためです。服用サイクルが15日目から21日目の場合は、休薬期間を取らずにすぐ続けて次のシートを飲み始めてください。

■24時間以上48時間未満の場合
前々日の飲み忘れ分は服用せず、気づいた時点で飲み、さらに予定の時間でも飲んでください。服用サイクルが14姫以前だった場合、残りのシート分を予定通りに飲み7日間の休薬期間を作ります。15日目以降だった場合は、休薬期間を作らずに次のシートをスタートしてください。

■48時間以上の場合
対処法が2つあります。まずは、ピルの服用をストップし次の生理初日からスタートする方法です。次の生理まで性交を避けられる、新しいシートがもう手元にある場合などはこちらで大丈夫です。もう一つが、飲み忘れた直近の1錠をすぐ飲み、その後は予定の時間に飲み続ける方法です。7日間7錠連続で飲み続けるまで他の避妊対策が必要です。避妊の効果を保ちたい、避妊リスクを下げたいなどの場合はこちらが向いています。48時間以上たって飲み忘れがあった場合、不正出血(生理以外で出血する)が起こる場合もあります。すぐにおさまる場合がほとんどですが、続く場合は医師の診断を受けてください。

■新しいシートの1錠目を飲み忘れた場合
結果的に休薬期間が8日間になってしまっているため、ピルの服用はストップし、次の生理まで待ちましょう。当然ながら、他の避妊対策が必要です。

服用できない人

バツ看護師 さまざまな効果を得られる低用量ピルですが、中には服用できない人もいます副作用や症状が悪化する場合もありますので、以下に該当する人の服用は避けた方が無難です。
・乳がん・子宮頸がん(または疑いのある人)
・以前ピルを服用してアレルギー反応のあった人
・高血圧
・血栓症(血栓症静脈炎・肺血栓症)
・脳血管障害・冠動脈疾患
・原因不明の不正出血
・35才以上で1日15本以上の喫煙
・思春期前の女性
・妊娠中(または妊娠の可能性がある)
・妊娠中の黄疸・妊娠中の持続性掻痒症
・妊娠ヘルペス
・授乳中
・閉経後
・片頭痛
・肝疾患・腎疾患・心疾患
・心臓弁膜症
脂質代謝異常
・糖尿病性腎症状・糖尿病性網膜症 ・抗リン酸脂質抗体症候群
・耳硬化症

服用に注意すべき人

以下に該当する人は服用するにあたり注意した方がいいでしょう。心配であれば医師に相談してください。
40才以上
・家族に乳がんになったことのある人がいる
・家族に血栓症の人がいる
・胸にしこりがある
・喫煙者
・肥満
・軽度高血圧
・糖尿病(またはその疑いのある人)
・ポルフュリン症(激しい腹痛とともに褐色尿が出るなど)
・てんかんの人
・テタニーにある人(手足の痙攣)
・医師の治療を受けている人

ピルとの併用に注意すべきもの

また、以下のような薬を飲んでいる人も、ピルとの併用に注意が必要です。ここに挙げているものは一部なので、服用している薬が心配であれば医師に相談してください。
・アセトアミノフェンを含む解熱鎮痛剤
・テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン、アクロマイシンなど)
・ペニシリン系抗生物質(アンピシリン水和物、ビクシリンなど)
・ステロイド(※塗り薬は含まない)
・セレスタミン(アレルギーの薬)
・ベゲタミン錠(睡眠薬)
・イミプラミン・トフラニール(抗うつ剤)

サプリメントはピルの効果に影響を与えてしまうものもあります。主に、女性ホルモンが含まれていたり、女性ホルモンの分泌を促すものはピルの効果に影響を与えてしまう可能性があります。以下のサプリメント(またはそれに含まれる成分)を飲んでいる人は併用しないでください。

・セントジョーンズワート(ハーブティにも含まれていることがある)
・バストアップのサプリ
・病院で処方されるプラセンタ(市販は効果が弱いので併用可能)
・チェストベリー(チェストツリー)
・メリロート
・大豆イソフラボン

漢方薬は併用可能です。むしろ、症状を緩和するために併用することもあります。また、ビタミンCの過剰摂取は血栓症と繋がる可能性があるので注意が必要です。グレープフルーツはピルの効果を高めると同時に副作用も出やすくなるので危険です。食べる時はピルの服用時間の前後を避けましょう。

ピル服用前におこなう主な検査

男性医師 ピルの影響により副作用的な病気を予防するために、事前に病院で検査した方がいいものをあげてみます。心配な人は確実に受診しましょう。
・超音波(子宮・卵巣)
・子宮がん検診
・血液検査
・血圧、体重、既往歴、家族歴
・乳房検査
・問診