低用量ピルの効果はさまざまです。避妊をはじめ、生理痛の緩和や生理を早めたり遅くしたりできます。

ピルの効果

ピルは2種類の女性ホルモン剤を服用することで、あたかも妊娠したような錯覚を起こさせることで着床や排卵を抑制する環境を作るのです。それによって避妊効果が得られます。低用量ピルの避妊成功率は驚くべき高い数字が出ており、ホルモン量を減らすことで副作用も大幅に低減した安全性の高いものです。

避妊効果と避妊率

ピルの一番の効果は「避妊」ですが、なぜ避妊効果があるかご存知ですか?避妊効果には、以下のピルの3つの作用が関連しています。この作用で避妊が確実におこなわれていくわけです。

  • ・排卵を抑制する
  • ・子宮内膜が厚くならないようにし、着床しにくくする
  • ・頚管粘液の粘度を上げ、精子を入りにくくする
  • また、ピルの避妊効果は非常に高くなっています。おそらく日本でのピルの普及率の低さを見る限り、ピルの高い避妊成功率は日本ではあまり知られてないのではないでしょうか?以下の数字を見て驚かれる人も多いと思いますが、ほぼ完全な避妊が期待できるのです。

  • ・低用量ピル・・・99.9%
  • ・コンドーム・・・約85%
  • 指さす女性 実は、日本で最も多く普及されている避妊具であるコンドームよりも高い避妊率を誇ります。コンドームは正しく使用することで避妊成功率は90%を超えますが、抜けてしまったり破れてしまう可能性があり、正しく装着されていないとさらに避妊効果が低下してしまいます。低用量ピルはあらかじめ飲んでおけば性交する前から避妊をすることができます。避妊を男性に頼りきらないので安心して性行為ができます。しかし、ピルでは性感染症などの性病予防はできません。性病を防ぐには必ずコンドームをつけてください。

    ピルの7daysルール

    カレンダー 避妊効果を持続させるために、ピルは服用最短14日・休薬最長7日がルールです。ピルは7日間かけて卵巣を眠らせておきます。卵巣が目覚めるのも7日間必要となります。実薬服用期間を14日より短くすると卵巣機能がきちんと眠りにつくことはありません。また、休薬期間を8日以上にすると、眠ってた卵巣機能が目覚めてしまいます。よって、避妊は失敗となります。

    よって、例えば実薬を最低14日間服用すれば避妊効果には影響ないとされます。これを頭に入れて、もし仮に飲み忘れてしまった場合は当てはめてみてください。また、生理周期をコントロールする際にも参考にしてください。これがピルの周期=7daysルールです。

    ピル服用で避妊失敗の理由

    低用量ピルは非常に高い避妊成功率を誇っていますが、わずかな割合で避妊失敗をしている人もいます。それはなぜか?理由を挙げてみます。

    ■ピルの服用方法を間違えている
    低用量ピルでよくある事例が「飲み忘れ」です。ピルでの避妊は毎日同じ時間帯に飲むのが鉄則です。それを失敗してしまうと、避妊ができなかったということだけでなく不正出血など副作用が見られる場合もあります。避妊は正しくピルを使用することが大前提です。飲み忘れた場合はすぐに対処しましょう。

    アフターピルに関しては、性行為後どれだけ時間がたってから服用したかによって避妊成功率が変わってきます。アフターピルはとにかく事後すぐに服用することが大前提です。

    ■生理初日を間違える
    さまざまな飲み方がありますが、生理初日に低用量ピルを飲み始めるのが基本の一つです。しかし、この生理初日の概念を勘違いしている場合があります。一般的に生理初日は「生理が始まってから24時間以内」です。生理かどうか判断が難しい場合もありと思いますので、念のため他の避妊対策をした方が無難です。

    悩む女性 ■体調が芳しくなくピルが吸収できない
    人間に必要な栄養素同様、ピルも腸から吸収します。腸の調子が悪く下痢が続くような症状などがある場合、きちんとピルが体内に吸収されていない場合があります。また、何らかの理由で嘔吐してしまった場合も同様です。胃にある段階で嘔吐してしまうと腸までたどり着かずに体内へ吸収されていない可能性が大きいです。

    ■併用できない薬がある
    ピルを服用しながら他の薬を飲んでいる場合、その薬を今一度見直す必要があるかもしれません。抗生物質など服用しない方がいい薬がさまざまありますのでチェックしてみてください。これらを併用すると、ピルの働きを弱めてしまうからです。

    避妊以外の効果

    低用量ピル=避妊薬と認知している人が多いと思います。しかし、ピルは避妊以外にもさまざまな効果をもたらしてくれるのです。薬によって効果の種類や度合いは違いますので、各薬の詳細を参考にしてみてください。以下が主な効果になります。

    ■生理不順の改善
    生理がきたりこなかったり、また28日周期が不安定の場合、ピルによって生理そのものや周期が安定し、生理初日がわかりようになります。

    ■生理日の調整
    生理日を早めたり遅くしたりできるのもピルのメリットの一つです。旅行・記念日・試験など大切な日に合わせて調整ができます。

    ※詳細:「ピルで旅行も安心

    ■月経前症候群(PMS)・生理痛の緩和
    生理のたびに起こる生理前のイライラや生理痛を緩和してくれる効果があります。これを理由に服用している人はたくさんいます。

    ■更年期障害の緩和
    30代中ごろから40代中ごろにかけて症状があらわれるプレ更年期には効果的です。ただし、40代に入った人は注意が必要です。

    ※詳細:「40代とピルの関係

    ■肌荒れ・ニキビ・多毛症の改善
    抗男性ホルモンが含まれているため、それが要因の一つで症状としてあらわれるニキビや肌荒れの改善、また多毛にも効果を発揮します。

    ■バストアップ
    ピルは女性ホルモンの作用から女性らしい体つきを形成します。胸、お尻など丸みをおびた体つきになってきます。

    ■子宮体がん・卵巣がんの予防 排卵を抑制する働きのある低用量ピルは、排卵の回数を減らすことで卵巣を守り、子宮体がんや卵巣がんの予防にもなります。

    ※詳細:「ピルで卵巣がん予防

    ■子宮内膜症の治療
    排卵を抑制することで、子宮内膜症からも守ることができます。治療としても使われることがあります。子宮内膜症からがんに移行する可能性もあります。

    ■不妊リスクの軽減
    ピルを飲むことで子供ができなくなると思ってる人が多いようですが逆です。むしろ、不妊のリスクを下げる効果があるのがピルなのです。

    ■低血圧の改善
    ピルを飲むことで若干血圧があがる副作用があります。低血圧に人にはもちろん問題ないですが、高血圧の人は十分注意が必要です。

    ※詳細:「ピルと低血圧の関係

    これらの効果によって、女性の生活の質(QOL:Quality Of Life)が向上します。日本では、避妊薬というイメージや副作用が怖いという偏見をもつ人が多いようですが、海外では多くの女性が飲んでいます。海外では約1億人が使っているピルなのですが、日本ではわずか2%の人にしか飲まれていないのです。ピルによってさまざまな角度からQOLが向上するのも事実です。低用量ピルを生活に取り入れて、生活の質を上げてみる有効なアイテムになります。

    ピル以外の避妊法

    コンドーム 日本での普及率はいまだ低いのが低用量ピルですが、避妊成功率は圧倒的な高い数字となっています。飲み忘れなどをせず女性が定期的に正しく服用することで、それが実現できるわけです。また、生理が軽くなったりホルモンバランスが安定するなど、それ以外のメリットも魅力的です。

    それ以外の避妊法としてまずあげられるのがコンドームです。ピルは女性が服用するものであれば、コンドームは男性が装着するものです。最大のメリットは性感染症の予防ができるという点です。また正しく装着することで高い避妊効果は見られますが、途中で外れたりと最後まで正しく装着できずに避妊できなかったという例が少なくありません。成功率に誤差がでてくるのはこれが理由です。

    女性が膣内に装着する女性用コンドームもあります。こちらも男性用同様、性感染症の予防に効果的ですが、男性用と比べるとかなり割高になってしまうことと、慣れるまで装着が難しいこともあり、日本ではほとんど浸透していないのが現状です。

    誤解されている危険な避妊法の一つは膣外射精です。射精前からすでに男性器から出ている分泌物にも精子は含まれていますので、避妊効果はありません。一回の射精の精液量は3~6ccですが、1ccに含まれる精子の数はおよそ5000ccと言われます。かなりの速さで子宮へと泳いでいくのです。一つでも卵子と出会えば妊娠ということになります。

    また、以前浸透していたオギノ式があります。生理の周期から排卵日を予測し、排卵日前後の性交は妊娠しないという仮説です。しかし、ストレスや体調不良などで生理周期が乱れたり、排卵日が前後したりすると、いわゆる「安全日」は存在しなくなります。現在の避妊法としては含まれていません。

    結論としては、低用量ピルの避妊が一番安全で安心だということです。手軽に手に入る低用量ピルは、副作用が少なく高い避妊率で世界的に使用されている優れたアイテムなのです。

    人工妊娠中絶とは

    顔を覆う女性 人工的な手段で意図的に妊娠を中絶すること、これが人工妊娠中絶です。刑法ではこのことを堕胎と言います。望まない妊娠をしてしまった場合、産むか堕ろすかで悩みに悩んでいるはずです。産まない決断をした場合、この人工妊娠中絶を選択するわけですが、心身ともにダメージは大きく費用もかかります。できることなら避けたいのがこの中絶です。一つの授かった命を絶つわけです。よって、望まない妊娠をしないためにも、しっかりとした知識をもって避妊をすべきです。

    中絶の時期

    妊娠したからと言って、いつでも中絶できるわけではありません。一般的には、妊娠21週6日までが人工妊娠中絶のタイムリミットとされます。これは母体保護法という法律によって定められています。

    胎児が大きくなり始めれば、それだけ母体への負担は大きくなるのは当然で、中絶の決断は早いに越したことはありません。ちなみに、妊娠12週から中絶した場合は火葬され、各市町村役場にて死産届を提出することになります。妊娠週の数え方ですが、最後に生理になった日を基準とします。最後の生理の日が妊娠0週となり、基本的には次の生理予定日が第4週ということになります。

    中絶の場所

    どの病院でも中絶できるかというとそうではありません。各都道府県の医師会が指定する母体保護法指定医が実施することになります。妊娠の初期と中期で手術が違うため、初期のみ可能という病院も中にはあります。

    中絶の方法

    妊娠初期(妊娠11週目まで)の場合、一般的には吸引器具を子宮に入れる吸引法と、スプーンのような器具を使って掻き出す方法があります。麻酔を用いるか用いないかは各医療機関によって違いますが、痛みの伴う手術になります。

    妊娠中期(妊娠12週から21週目まで)の場合、まずは子宮頚管を器具で拡張する前段階での準備があり、翌日陣痛を誘発する薬を使用し、分娩台で通常の出産のようにおこなわれます。これもまた痛みを伴うものです。

    ともに、術後は出血が続くケースがあります。そのため、貧血や低血圧症状になる人もいます。しばらくは安静で心身ともに休めるのが一番です。腹部に力を入れたり、長時間の立ち姿勢はかなりの負担になりますので注意してください。

    中絶の費用

    妊娠の初期の場合、各都道府県によって違いはありますが、8万円から15万円ほどになります。妊娠の中期になると、その2~3倍はかかります。診察料、検査料、入院費なども含めるとかなりの金額です。また、保険は適用外のため全額自己負担となります。早ければそのまま退院、状況によっては3日くらいの入院が必要になってくる場合もあります。

    中絶のリスク

    心身ともにダメージの大きい人工妊娠中絶ですが、子宮に過度な負担がかかるため、まずは子宮破裂の可能性があるということ。そうなると、子宮摘出を余儀なくされる場合があります。また、子宮頚管を拡張するため、傷ついてしまうことで子宮頚管無力症の可能性もあります。これは、将来妊娠した場合に流産や早産の可能性を高めます

    まれに、子宮に穴があいてしまうことで、子宮を摘出するだけでなく、腸管の損傷から人工肛門をつけることも可能性的にはあります。思ってる以上にリスクの高いのが人工妊娠中絶なのです。

    術後の具体的な副作用としては、吐き気・出血・発熱・腹痛・腰痛などが起こるケースがあります。また、中絶後にすぐ性行為を繰り返すと、子宮が傷つくだけでなく子宮内膜の癒着によって不妊の可能性が高くなりますので注意してください。

    体はもちろんですが、心のダメージもかなり大きいはずです。これによりさまざまなトラウマが生まれたり、またストレスによる体調不良も考えられます。ホルモンバランスを崩すことで不妊にならないようにすることも大切です。

    ピルは避妊率99%以上を誇る立派な避妊薬です。望まない妊娠、または人工妊娠中絶を避けるためにも、常日頃から避妊に対する意識はしっかり持つべきではないでしょうか。避妊の知識、そして行動。女性だけが泣かないように、女性主体で避妊することも大切です。女性が主導でできる避妊、それがこのピルなのです。

    毎日飲む低用量ピルで避妊すること。もし飲んでいなくても、緊急避妊用にアフターピルもあります。ぜひ活用してください。

    生理前症状と妊娠前症状の違い

    おなかをさする女性 生理前の症状と妊娠前の症状は非常に似ています。よって、妊娠に気づかないという人も多いと思います。生理前や妊娠中は排卵後に黄体ホルモンが分泌されることにより、生理前症状と妊娠前症状は同じような症状が見られるのです。

    ■倦怠感
    黄体ホルモンには睡眠作用が含まれているので、眠気・だるさ・倦怠感などがともないます。

    ■胸の張り
    黄体ホルモンは乳腺を刺激します。乳腺の発達をもたらすため、胸が張ったような感じ、または胸全体から乳首にかけての痛みがあらわれる可能性があります。

    ■便秘・下痢
    黄体ホルモンは子宮の伸縮を防ぐ作用があります。これは流産を防ぐという意味があります。そのため、腸にも影響を及ぼし便秘や下痢の症状が見られます。


    しかし、当然ながら二つには違いもあります。これが妊娠かそうでないかの区別をするポイントです。

    ■おりもの
    おりものは生理が近づくと増えだし、排卵日あたりが一番多く、排卵が終わると減ります。しかし、妊娠した場合は生理の1週間前あたりから排卵日あたりと同じくらいの量になります。この量で生理前か妊娠かを区別することができます。

    ■下腹部の痛み
    生理前は子宮内膜が剥がれるために子宮が収縮します。生理前の痛みは内側に縮まるような痛みがあらわれます。それに比べ、妊娠した場合は子宮内膜を厚くするために子宮は膨張します。外側に広がるような痛みになります。さらにはよく言われるのがチクチクした痛みもあるということです。これらが生理日あたりであれば妊娠の可能性が高いです。

    ■食べ物の嗜好
    妊娠によるホルモンバランスの変化によって、妊娠すると食べ物の好みが変わると言われます。今まで好きだった食べ物が食べられなくなったり、その逆もあったりと、好みが変わってきたら妊娠の可能性が高いです。


    生理は、増殖期→排卵期→黄体期→月経期のサイクルを28日周期で繰り返されます。排卵が起こらなければ受精はできません。排卵が起こり、受精した受精卵は子宮内膜に着床します。この間が5日前後と言われています。しかし、この段階ではまだ完全に着床は完了していません。着床してから3~5日間かけて、子宮内膜の内部へ入り込むことで妊娠するのです。これが生理のメカニズムです。